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【今井優杏旅日記21】モロッコ逆L字型、ひとりダカールラリー!?

自動車ジャーナリスト&モータースポーツMCの今井優杏が月3回ペースで連載する私的旅日記、「旅とクルマと男と女(仮題)」。その第21回は、モロッコ編パート3です!

今回の旅の目的のひとつに、アトラス山脈を自力で越えたいという思いがありました。
や、もちろん徒歩とかトレッキングではないですよ! 確かにトドラ渓谷を5時間トレッキングした私ではあるけど、アトラス越えるとか、ラクダ使ってもそう容易じゃないです。だから自動車ジャーナリストとしての使命感というより単なる運転好きとして、自分の運転でモロッコを制覇したかった。幸いなことに外国での運転経験は職業上、そこそこ多いほうです。

アトラス山脈は3000~4000メートル級の山々が連なる巨大な山脈で、モロッコをナナメにズバっと横切っており、カサブランカ、フェズ、マラケシュといった都会的な街の顔を持つ左側のエリアと、サハラ砂漠に代表される右側のカスっと砂っぽい砂漠世界とに切り分けています。

アトラス越えはおおきく南北でふたつのルートを持ち、マラケシュからオート・アトラスに入り、カスバ街道に繋がって砂漠に出るモロッコ横断ルートと、メルズーガやエルラシディアをはじめとする砂漠の街から古都フェズを結ぶ、モワイヤン・アトラスを越える縦断ルートとがあるのですが、私がルートを取ったレンタカーでの旅程では、逆L字型にその両方を走破することができました。総走行距離、多分5日間で1800kmくらい。地図(下図ご参照くださいませ)は仔細なものではなく、だいたいこんな感じというルートのめやすです(おもに右下あたり、砂漠の街では現地友人とチョコマカ走り回りましたよ~。ひとりダカールラリー・笑)。

それにしてもモロッコ、その環境的な観光資源のド豊富さには峠を越えるたびにビビりました。いったいぜんたいどのドライブルートも素晴らしく、コーナーを抜けるたびに目を奪われるような大自然と渓谷、オアシスや山に張り付くようにして建つカスバ(城砦)が次々と現れ心奪われっぱなし。モロッコといえばオシャレ雑貨とサハラ砂漠、なんて安直なイメージで行ったら(や、ま、それ私なんすけどすみません)、本当にひっくりかえりますよ。絶景の連続に見とれちゃってなかなか前に進まない!
もしバスやタクシーなんかで行ってたら、自分の身体で運転していなかったら、タフなクルマ酔いで眠ってしまっていたかもしれない。左右にステアリングを操作しながらアクセルとブレーキを踏み、ときには激しくシフトを操作しながら道を自分の力で越えていくということの興奮、覚醒。
ドライブというものの本当の歓び、道を越えてゆく快感を久しぶりに思い出しました。本当に、高村光太郎氏の「道程」の言うとおり、道は自分の後ろに出来てゆくのです。私が通った後だけが、私の知っている道になる。そしてこの先にはまだ見たことのないものしか存在しないという、特別な高揚感。それは最高の冒険なのですよね。

さて、特に感激したのは実は、エルグ・シェビというシェビ砂漠のほとりの村から北上しはじめてすぐ、エルラシディアからミデルトまでのズィズ渓谷の目を見張る雄大さ、ミデルトからアズルーまでを走る高原の清らかさでした。

マラケシュから砂漠の街へのオート・アトラスばかりガイドブックには取り上げられがちなのですが、この縦断ルートの砂漠から徐々に緑を増し、高原のノマドの居住エリアに入っていく潤った空気感は目に新鮮で、ずっと動画を撮っていたくなったくらい。
しかもこの高原エリアでは、アフリカ大陸という先入観からまずお目にかかることのないだろうと思っていた雪があちらこちらに! なんでも、今年は例年になく大雪で、何度もこのルートが閉鎖されたのだそう。そのために、山岳民族、とくに子供やご老人が寒さのために何人も亡くなったとか。必要以上の設備を持たない土の家では、暖を取りきれなかったのが原因でした。
改めて、アフリカの自然の厳しさを知った、そんなドライブでもありました。

(文&写真・今井優杏|次回は2015年4月15日更新予定)

●燃えるオンナ今井優杏のボンバーブログ
http://www.hobidas.com/blog/tipo/imai/

  • 今回のルート(ざっくりと)。マラケシュで借り、フェズで乗り捨てました。このルートを3日間に分割して走行してます。道は意外にきれいで、郊外に出てしまえばそんなに運転が難しい国ではないです。が、マラケシュの街中、フェズの街中の運転は本当にクレイジーだしクルマの量がハンパない。レンタカー借りて街を出るまでは(もしくは返すまでは)強い心が必要です(笑)。

  • あの冠雪した山がアトラスの最高峰あたり。さあ、いざ砂漠へ!

  • 九十九折の弩級ワインディングロードが永久に連続します。地元のプジョーはのべつまくなし踏みまくり、さながら頭文字Dのような様相に! もちろん踏み負けませんでしたとも!(郊外の速度制限書かれておらず)向こうは東洋人の女一人で運転しているコチラをからかってたみたい。

  • 長距離タクシー(グランタクシー)は旧いメルセデスのみ。世界のベンチマークなんて表現を疑いたくなるくらいにボロボロに使い倒されています。でもここまで使っても壊れないなんて、やっぱすごいですベンツ。そういう意味でもベンチマーク。そしてコレに7人フル乗車しますこのタクシー。

  • おっと! ラクダさんとご対面。砂漠の街ではこんなハプニングも!

  • モロッコも春。透き通るような湖の蒼に黄色い花が映えて。文中のズィズ渓谷手前。

  • この絶景をご覧ください! 写真中央のV字の谷間を抜けるルート。もう、息飲み過ぎて呼吸忘れます、マジで。

  • 今回の旅の相棒はルノーのクリオ・キャンパスでした。グスグスに使い倒されたヘタったサスでしたが、砂漠エリアのピストの道も強烈なワインディングも頼もしく駆け抜けてくれた可愛いヤツ。ちなみに一番安いクラスのレンタカーでした。モロッコはやっぱフランス車多いね。

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