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【清水草一、欲望の純結晶141】最高税率のワナ

大乗フェラーリ教開祖を名乗るモータージャーナリスト清水草一センセイが、毎週月曜日に更新する連載「清水草一、欲望の純結晶」。第141回は「最高税率のワナ」です!!

 1983年まで、日本の最高税率は93%だった。よって所得の多い人は会社を作って税金を逃れた。つまり統計上の個人所得は少なくなり、表向き、一億総中流社会が形成された。
 その後日本は欧米に倣って最高税率を引き下げ、50%まで下がりました。今年から55%に上がったけど、適用されるのは来年の確定申告からなので、一応まだ50%です。
 1977年、池沢早人師先生は2億4000万円稼いで税金で2億円くらい持っていかれたが、現在2億4000万円の給与所得に対する課税額は、所得税約9200万円、住民税約2300万円で合計1億1400万円に過ぎない。過ぎないっつってもメチャ多いですが、手元に残る収入は、4000万円から1億2600万円へなんと3倍増だ。わーいわーい。

 いやいや1億2600万も税金払えるかバカヤロー、会社作って節税してやる! と思った場合は、経費を計上せずにそのまんま2億4000万円を利益として申告するとですね、税額は約1億円になります。なんだ、あんまり変わらないじゃんか。
 そう、現在の税制下では、個人所得にしても法人の利益にしても、お金持ちの納税額はあまり変わらない。認められる経費の範囲も、昔は会社なら交際費使い放題とかで広かったが、今は個人事業主として申告すればまるで同じ(たぶん)。昔は「お金持ちは会社作った方が絶対トク!」だったけど、今は大差ない。
 結果、お金持ちはですね、今でも会社持ってるケースが多いとは思いますが、それなりに個人にも所得を振り分けるようになったんですよ。そうしないと個人名義の貯蓄ができず、床下に現金隠しとくしかないので。
 個人の貯蓄額が増えると、経費に計上しづらいクルマ(例:フェラーリ)をとっても買いやすくなります。税務署だって、フェラーリを買ったからってすぐに飛んできたりしなくなります。なんせ貯蓄は所得の積み重ねで、正当なものですから、そっから2000万出そうが3000万出そうが1億6000万出そうが自由なので。ちなみに私も1994年からフェラーリ(中古車)を持ってますが、税務署が飛んできたことは一度もありません。まあ所得が0円の人がいきなりフェラーリ買ったら飛んでくるのかもしれませんが。
 過去20年間デフレが続いてきたこの日本で、フェラーリの値段が上がったのに台数が伸びている裏には、そういう事情があると私は睨んでおります!
 これってある意味健全ではないかニ? 昔、お金持ちは無理して経費を使いまくって所得を隠しまくっていたけれど、今は税率が下がったことでかなりガラス張りになって、欲しいクルマが堂々と買えるようになったわけなので。かえって納税額も増えたんじゃなかろうか? 比較できないけど。
 こんなことを書くと、それこそ日本共産党から「金持ち優遇主義のブルジョアライター!」と糾弾されそうですが、皆さんが将来お金持ちになった場合は、絶対今の税制の方がいいと思うでしょうねウフフフフ~。あ、だから金持ち優遇なのか。

 トマ・ピケティ氏は、先進国ではおしなべて格差が拡大していると書いた。しかし実は日本では、あまり拡大していない。なんせ20年間デフレが続いて株価も低迷続き、企業業績も低空飛行だったから、お金持ちがガッポガッポってな状況じゃなかった。
 所得上位1%(国民100人に一人のお金持ち)の所得シェアの推移を見ると、30年前は日米ともに8%程度だったのが、現在アメリカでは18%へ2倍以上に跳ね上がり、一方日本では9%に留まっている。
 つまり日本の税制は、今のままでいいってことでしょうかニ? どうなんだべ。

(つづく/次回は2015年4月20日更新予定)

(文・清水草一)

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