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2015年05月07日

【今井優杏旅日記24】ベルベル男子と極上の出逢い!

自動車ジャーナリスト&モータースポーツMCの今井優杏が月3回ペースで連載する私的旅日記、「旅とクルマと男と女(仮題)」。その第24回は、モロッコ編パート6です!

「そんなのは『コカコーラツアー』だからつまらないよ!」
というのがAliの口癖で、ツーリストに対し、彼は本当に心からリアルなモロッコを知ってもらいたいと願っているようなのでした。彼の言うところの「コカコーラツアー」というのは、いわゆる観光ナイズされきったお仕着せのパッケージツアーのような意味合いであるらしく、それを世界中どこでも手に入るコカコーラになぞらえた比喩には「座布団一枚!」ってかんじ。

「おまえ、一人旅とか言っておいて、なんでそんなにたくさん俯瞰の写真があるんだ!」と各友人知人諸兄から「本当は一人旅じゃないだろう疑惑」を投げかけられるキッカケになっている当コラムの写真の数々(詳しくは過去記事をご参照くださいませ)。
いえいえ、正真正銘の一人旅ですよ。
しかし、前々回記事にも書いたトドラ渓谷で私はとあるベルベル男子と突如仲良くなり、その後の4日間を同行することに。それが過去記事中にも登場するAliでした。
あ、と言っても皆さん期待のロマンスは一切なし(笑)。う~ん、しいて言うならガイドのような役割です。観光資源に頼らざるを得ないような国やエリアでは、定職に就かずにこんな風に観光を私的にガイドして収入を得ているような人がよくいます。東南アジアでもよく出会いました。
その過去経験から、私は直感的にその人が悪い人なのかいい人なのかを嗅ぎ分ける高感度なセンサーを持ち合せているようで、過去こういう出逢いで危険な目に遭ったことがないのです。そして今回ももちろんこの出逢いは、芳醇な異文化交流をもたらしてくれたというのは先述の通り。トドラ渓谷から砂漠まで4泊5日、最後はフェズに向かう私と別のドイツ人ツーリストと合流するというAliは、エルラシードという砂漠の街でしっかりと友情のハグをして別れました。また必ず会おうと約束して。

こういう偶然ながらも極上の出逢いがあるから旅はおもしろく、また豊かになる。
彼と出逢わなければ、ハエがぶんぶんたかる羊肉(でも挽きたてでフレッシュ)をパクチーやスパイスと合わせ、ピザのような薄いパン生地に包んで焼き上げた食べ物、その名もベルベル・ピザを下町で食べることもなかったし(出されたときはそのあまりの衛生観念の違いにギャ~! となったけど、えいや、と口に入れたら旨くて止まらなくなる不思議)、地元の青空マーケットにフラっと立ち寄って、トラックの荷台いっぱいに収穫された熟れてとろけるように甘いバナナや、日本だと絶対に手に入らないくらいにみずみずしいオレンジをファーマーから直接買うことも出来なかった。
アラビア語、もしくはモロッコの原住民であるベルベル人が使うベルベル語しか通じないレストラン(って言うにはあまりにもワイルドな食堂)でグリヤと呼ばれる肉の炭火焼を手でもしゃもしゃ食べることもなかっただろうし(フォークとかナイフとかそもそも用意されていない、もちろんおしぼりもないから若干各種細菌類への危機にドキドキします)、ラクダのミルクを飲ませてくれる(!)素敵な青空カフェにだって、絶対にたどり着けなかった。
(そしてそういう時にこそその昔、中国・広州にちょっとだけ住んで仕事をしていた経験がふっと戻り、ある程度の汚さに対する耐性ってのは突如復活することがある、というのも実感。経験って、こういう時に生きるのね!)

なにより、Aliという新しい友人を通して出逢うモロッコの人々はみんなシャイだけど世話焼きで人懐こくて芯から優しい、ナイスガイばっかりやん! って気付けたことは、その後の旅をも左右する大きな発見になりました。
それまで、どこかでちょっとおっかないなって思っていたんです。だってもう、ネット上のどこ見てもモロッコ人には気を付けろ! みたいな記事しか、見当たらなかったんだもの。
こうして自分もネット上に記事を書いてますけど、でもこれだけは言いたい。
世界中、いや日本にだっていろんな人がいる。だけど心を開いて信じられる人を見極めれば、きっと気持ちで通じ合える人はその辺にゴロゴロ転がっているんだってね。もちろんそこは外国だから、過剰なくらいに用心することに越したことはないけれど! 彼との友情を皮切りに、私は現地でたくさんの人に出会い、今も連絡を取り合う友人を他にも得ました。
こんな風に、自分の脚で歩いて眼で見て世界中のまだ見ぬ友人を発掘するのは、格別なる幸せで財産だとおもうのです。

(文&写真・今井優杏|次回は近日更新予定)

●燃えるオンナ今井優杏のボンバーブログ
http://www.hobidas.com/blog/tipo/imai/

  • みんなAliの友達=私の友達。超仲良くなった、ベルベルの少年たち。一緒に呑んだり食べたり歌ったり踊ったり! 彼らはガイドでミュージシャンでコーディネイターでもあります。

  • ラクダのミルク! 牧場に併設されたカフェはめちゃくちゃオシャレな感じだったんですが、それは今度ブログで公開します(笑)。意外にサッパリ薄くて、低脂肪乳のような味わい。

  • ベルベルピザの具、作成風景@ローカルマーケット。色々突っ込みどころ満載。市場の肉屋で肉を買い、その辺の野菜屋さんでパクチーと玉ねぎを買ってきて渡すと、こういう風に刻んでくれます。

  • パンを焼く専門のお店。ここに先ほどの具を持っていくと、生地に包んで焼き上げてくれる。砂漠の街のほとり、リッサニという街にて。

  • これがベルベル・ピザ。デカイ! でも外カリカリ、中のラム肉がジューシーで、本当に美味しかった。

  • 弩級ローカルシリーズその2、ティネリールという街のスーク(市場)に隣接した食堂のようなところ。スークで肉と野菜を買って、このお兄さんに渡します。ちなみにお兄さんの後ろにある肉塊が、正しいモロッコ式お肉屋さんのディスプレイです。

  • 買ってきたお野菜とお肉(この時はチキン)を焼き係の兄さんに渡して、出来上がったのがコレ。クミンという辛くないスパイスの効いたエスニックなお味。ちなみに主食は丸くて平たいパンです。

  • 旅を素晴らしいものにしてくれたAliは右側。左側はAliの友達で、彼はどこに行っても友達がいる! 布を頭に巻くのは、砂や日光を避けるための砂漠の民の知恵です。巻きたかった。

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