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2015年05月21日

【今井優杏旅日記25】千年都市フェズのラビリンス!

自動車ジャーナリスト&モータースポーツMCの今井優杏が月3回ペースで連載する私的旅日記、「旅とクルマと男と女(仮題)」。その第25回は、モロッコ編パート7です!

自分自身がなかなかにカントリーサイド出身者のためか、海外でもとかく都会よりも田舎を求める傾向にあります。
たとえば過去記事にも詳しいように、タイならバンコクよりも断然クラビ! とかね。
だから今回のモロッコでも、実は気が重かったのが砂漠を出たあと、フェズという街に行くことでした。行きましたけどね。だって億劫でも、行かなかったら後悔すると思ったから。砂漠は素晴らしいけど、砂漠だけじゃモロッコを知ったとは言えないもの。

フェズは1000年前の8世紀(古!)、モロッコ最初のイスラム王朝の都が誕生した都市。
モノの本によればモロッコの京都とか呼ばれてるそうで、その近視眼的な比喩には失笑を感じ得ませんが、まあでも日本人にとって解りやすいのでヨシ。確かに言いえて妙で、フェズは京都っぽかったですし。
たとえば、
旧いものが旧いままに残っているところ。
それを街に住む全員が誇りにおもい、保存しているところ。
古くから都があったために、職人がたくさん住んでいて、伝統的な工芸品をたくさん作っているところ。
名物が寺(フェズの場合はモスク)なところ。
エトセトラ、エトセトラ。
そして現在でも大都会。
砂漠からレンタカーでここまで帰ってきて、クルマの多さと人の多さに本当にビビってレンタカー会社まで辿り着けなかったのは、数日間の砂漠暮らしですっかり文明を忘れてしまった私です(実話)。こういう習性に関して、順応性が高いんだなわたしは、わはは! と好意的に解釈するようにしております(自己完結)。
ちなみにレンタカーのオフィスの場所、これまたその辺でお茶をしていたおっちゃんに尋ねたところ、自分のクルマで先導してまで教えてくれました。やっぱみんな、優しいな。

さて、千年迷宮都市フェズの名物といえば、旧市街であるフェズ・エル・バリの迷路のような路地。
280ヘクタールの土地っていうとですね......えっと、言うなれば東京ドーム50個分と謳って逆に「わかりにくいわ!」とその広さを混乱させている千葉の名所・マザー牧場が250ヘクタールですから、それよりすこし広い感じの場所ですね、そこに9400とも9600とも言われる複雑な路地が入り組んでいて、一旦入り込んだが最後、ここじゃ誰もが絶対に迷子になると言われているミステリアスな街なのです。
や、確かに迷いました。
外敵の侵入を防ぐためとも、急激な人口増加のためにつぎはぎのように枝分かれしたとも言われているフェズのラビリンスは、宿泊していたリヤド(伝統的な邸宅を改造したモロッコ建築のホテル)の主人にさんざん歩き方のハウツーを聞かせてもらったにも関わらず、いとも簡単に私を罠にかけました。そしてそこをまた迷うのが楽しいのですよ。
先述の通りフェズは職人の都でもあるので、お店に並んでいるアレコレがとても面白い。レザーが有名なフェズは、革職人の働く染色所、タンネリも有名ですね。

しかし、私にとってのフェズはなんといっても同じ旧市街でもマイナーなほうであるフェズ・エル・ジェディド。
とかく女性がひとりでプラプラしてたらお声がかかるのは世の常で、軽くナンパしてきたモロカン・ダンディーが、リアルな居住区を案内してくれるというではないですか。まあ、誘拐も乱暴もされようがないくらいに平和なよく晴れた午後のこと、ミュージシャンだという彼に、ユダヤ人街メッラハのその向こうを案内してもらうことに。どうせ旅はノープラン。綿密に計画を立てるより、こうして起こる出来事を受け入れたほうが面白いことに出会えること間違いない。

砂漠友人Aliの例もあるけど、現地の人と一緒に歩くと、一人で荷物を抱きかかえるように警戒に警戒を重ねた異様なテンションの一人旅モードがほんの少し和らぎ、すれ違う人々に微笑みを返せるほど心がほどけるのが不思議。やっぱり知らない街を一人で歩くことは、ある種の強烈な緊張感を強いられているんですね。
彼の案内で見た本当のフェズの生活は、観光一辺倒に染まったフェズ・エル・バリとはまた違った活気にあふれていて、途中出逢った彼の妹さんや友人のみんなもすんごい笑顔で「Welcome to Fez!」とか言ってハグとかキス(モロッコでは女性同士でも唇の横にキスするのが礼儀)してくれちゃうのも、なんだかフフ、と口元ゆるむハートウォーミングな体験でした。

さて、次回は、重大発表がございますので心の準備をひとつ!

(文&写真・今井優杏|次回は近日更新予定)

●燃えるオンナ今井優杏のボンバーブログ
http://www.hobidas.com/blog/tipo/imai/

  • 旧市街フェズ・エル・ジェディドの一番南側、スマリン門のあたりが案内してもらった居住地。観光客向けものはなにもないですが、子供が遊ぶ路地もリアルな生活も垣間見られました。

  • ここではみんな、の~んびりお買いもの。むしろ私なんて「え、なにこの子何しに来たの?」的視線で見られちゃいます。

  • 大好きなトムとジェリーもアラビアン風味。のちにこの絵を描いた少年とバッタリ! シャイなイケメンでした。

  • 澄んだブルーの空に洗濯物。右の鉄塔にはコウノトリが巨大な巣を作っています。

  • フェズ・エル・バリ(有名なほう)のランドマーク、ブルーゲートことブージールド門。モザイクが美しい。

  • 盆地状になっているフェズの街、下から見上げると結構な傾斜です。フェズ・エル・バリとはボロボロのフェズという意味。た、たしかに。グリーンの塔はモスク、いままさにリバーサイド(実は手前は川です、見えないけど)は再開発中。

  • フェズ名物の革染色場、タンネリ。この染料、臭くて臭くて鼻が曲がるようだよ! と聞いていたのですが、え? むしろ全然匂わない。聞けば、暑い時期になったら強烈な臭いを発生させるのだそうな。私の行った3月は拍子抜けするくらい無臭。

  • 折り重なるようにして建つフェズの街、実はその向こうに美しい山脈が広がるロマンティックな都市でした。実は帰国後、一番にもう一回行きたいと思ったのがここフェズ。ただ歩き回るだけじゃなくて、こういう景色を眺めながらチルアウトする時間を持ちたかった。

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