趣味の総合出版社、ネコ・パブリッシングが運営する、新着ニュース、最新モデル試乗記、人気ブログからガレージまで、自動車趣味を楽しむ人へ向けた総合ニュースサイト!

ホビダス総合トップへ

【COTY2014-2015回顧5】新型マツダ・デミオは、上質な乗り味を表現!

ホビダスオート年末年始特別企画として、「日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015」の受賞車に関する試乗記を再掲載。ここでは見事日本カー・オブ・ザ・イヤー2014-2015を受賞した「マツダ・デミオ」をご紹介する。

マツダが自ら手掛ける末っ子モデル、デミオの次期型がデビュー間近となった。プロトタイプ試乗会が開催されたので、第一印象をお伝えしよう。

正規の生産ラインは稼動しておらず、今回の試乗車はいずれも「手作り」に近いモデルとのこと。が、インテリアの一部の見栄えなどを除けば、その仕上がりは「所期の状態に即したもの」とも説明された。

トヨタ・ヴィッツや日産マーチ、さらには三菱ミラージュ等々と、このところの日本のベーシックカーのスタイリングは、ただただ実用本位に徹した何とも夢も希望も感じられないものばかり、というのが率直な印象であった。

そうした中にあってこの新型デミオのルックスは、「これはちょっと乗ってみたいナ!」と積極的に感じられる、久々に溜飲の下がるスタイリッシュぶりが嬉しい。

そんな情感溢れるスタイリングが生まれた背景にはまず、大手メーカーと同じ、居住空間の広さだけを追求したデザインでは生き残ってはいけないという、独自の危機感があったとのこと。Aピラーを後方へと引き、敢えてキャビン部分をコンパクトに見せる骨格表現は、前かがみになったクラウンチングポーズを意識したものだという。

ホイールベースは80mm延長されたが、それはドライバーのヒップポイントを基準に「後輪位置は同じで、前輪が80mm前出し」されたもの。すなわち、居住空間の拡大に役立ってはいない反面、フロントトーボードのゆとりを生んでペダル配置の適正化が実現し、ディーゼルエンジン搭載可能となった一因にもなっている。

後席でのヘッドスペースは大きくはないし、乗降時の頭の運びもややタイト。確かに前席優先のパッケージングであるのは間違いないが、それでも前席下への足入れ性に優れるので、大人4人の乗車に無理があるわけではない。ちなみに、インテリア各部の質感は際立って高くはないが、それでも前出のようなライバルたちほどにチープさが漂うこともないのも事実だ。

まずはガソリンのAT仕様で走り始めると、「あれ? これって排気量はいくつだったっけ!?」と感じることに。実は、3000~4000rpm付近からのアクセル踏み加えに対するトルクの盛り上がり感がなかなかで、「もしかしたら1.5リッター?」と、そんな印象を抱いたのだ。

もちろん実際には、1.3リッターが正解。そしてさらに回転が高まるにつれ、「確かに1.5リッターだったらこれでは物足りないかな」という印象も加わる。エアコンのコンプレッサーが稼動を始めると感じられる力感の落ち込み具合にも、小排気量エンジンならではの悲哀を味わわされる。

それでも、中回転域のトルク感が1.3リッターエンジンとしては出色であるのは間違いない。5速仕様に留まるのが惜しいが、MTのシフトフィールもなかなか良いので、敢えてこちらを選ぼうという人にももちろん反対はしない。

一方、新開発の1.5リッターターボディーゼル搭載モデルに乗り換えると、こちらもまたなかなかイイ。アテンザやアクセラに搭載されるツインターボ付き兄貴分ほどの怪力ぶりはないものの、こちらもスムーズに、そして力強い加速感が味わえる。

低回転域から太いトルクを発する特性を生かして駆動ギヤ比が高めとなるので、レッドラインは4000rpm止まりでも、各ギヤにおける速度の伸びは十分。6速MT仕様でも1速で50km/h、2速で100km/hまで引っ張れるので、エンジンが回らないという印象を抱かされることがないのだ。

一方、動力性能そのものはAT仕様の方が上と感じさせられた。実はこちらに搭載されるエンジンの方が、最大トルク値が1割以上大きい。トランスミッションの耐トルク容量の関係で、MT用の心臓には敢えてディチューンが施されているのだ。

クローズドコースでの限られた路面状況ではあったが、搭載エンジンの違いに関わらず、素直で自然なハンドリング感覚と、このクラスのモデルとしてはなかなか上質な乗り味が表現されているのもひとつの見どころ。

そんな新型デミオに死角があるとすれば、それはどの仕様に乗っても総じて、ノイズレベルが大きめであること。エンジン音も比較的素直にキャビンに入って来てしまうし、サスペンションが動くたびにどこからか、コトコトと耳障りなノイズが聞こえるのもちょっと残念。

今の乗り味のまま、ノイズレベルが大きく下がった状況を想像してみると――それこそ、このクラスでは異例な走りの質感の持ち主と称賛される、フォルクスワーゲン・ポロとも正面から戦えそうな、「小さな高級車」になれそうな予感すら覚えるからだ。

(文・河村康彦|写真・宮越孝政|2014年7月21日掲載)

●マツダ
http://www.mazda.co.jp/
●日本カー・オブ・ザ・イヤー
http://www.jcoty.org/

自動車&ガレージグッズ趣味人が選びたいカー用品が満載!
カー・マガジン 最新記事
マツダ 最新記事
国産車 最新記事
河村康彦 最新記事
試乗記 最新記事

検索