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ミニ5ドアは、長年封印され続けて来た禁じ手!~河村康彦

どうして今まで無かったか! 思わずそんなことを言いたくなってしまうのが「5ドアのミニ」だ。

SUV風味の意匠をまとい、全幅が1.8mに迫る「クロスオーバー」には、すでに5ドアボディが存在していた。けれども、2001年にBMWがプロデュースを始めて以来、すでに3代を数える「本家」の方には、これまで3ドアとそれをベースとした派生のボディしか存在してこなかったのだ。

もっとも、BMWが手掛けるにあたってモチーフとした往年の英国製ミニには、5ドアバージョンなど存在しなかったもの。そんな未知のモデルを開発してしまったのだから、この5ドアのミニは、見方によってはこれまで長きに渡って不文律として封印をされ続けて来た、「禁じ手」そのものと言っても良いのかも知れない。

5ドアが設定されたのは、いずれもターボ付きの直噴システムを採用しつつ6速ATと組み合わされた、1.5リッター3気筒ユニットを積む「クーパー」と、2リッター4気筒ユニットを積む「クーパーS」の2グレード。クーパー同士の比較では、3ドアボディ比でホイールベースは70mm、全長は165mmの延長。リヤのオーバーハングは95mmの延長で、ラゲッジスペース容量も67リッター拡大されている。

なるほど、特大サイズのスーツケースも呑み込みそうなより大きな空間の採用は、「後席に人が乗る機会が増せば、持ち込まれる荷物も増えるはずだから」という理由から来ているとは広報氏の弁。そんな5ドアモデルのドライバーズシートへと乗り込もうとすると、こちらの方が3ドアよりも乗降性に優れることに気がついた。ドアの前後長が短くなった分、小さく開いても大きな開口角度を得ることが出来るからだ。

一方で注目の後席は、乗降性も乗り込んだ後の空間も、「思ったよりタイトだった」というのが実感。前席下への足入れ性に優れ、フロント以上に高いヒップポイントのシートにアップライトな姿勢で着座することで、一応大人が実用的に座ることは可能。が、昨今の軽自動車のように、そこにはドカンと広い空間が広がるというわけではない。

テストドライブを行なったのはクーパー。前述のようにホイールベースが長く、重量も60kgほど重くなるが、基本的な走りのテイストは3ドアのそれを踏襲している。ハンドリングの機敏さがわずかに影を潜め、多少落ち着いた動きが増したように感じられなくもないが、その乗り味は基本的にチョッピーで、それを「ゴーカート的」と表現するのであれば、こちらも相変わらず「ゴーカートフィーリング」の持ち主だ。

こうしたわずかな走りのテイストの変化よりも、個人的に気になったのはそのルックスの魅力度が、やはり3ドアモデルに比べるとかなり低下した印象が否めないこと。端的に言って、ハードウェアそのものの仕上がり具合――特にシャシーの――では、VWなどの作品には後塵を浴びるのがミニの実力。一方で、そんなハンディキャップを、誰にも真似の出来ないキュートで華やかなルックスで跳ね返すのが、ミニの醍醐味と面白さでもあったはず。

ところが、「黄金のバランス」と思えた3ドアのプロポーションに比べると、5ドアモデルは何とも分が悪く思えてならない。 きっと大いに売れることは間違いナシ! でも、「カッコ良くないミニなら要らない」と、個人的には思ってしまった......。

(文・河村康彦|写真・澤田和久)

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